RDF, OWLの面白さを知る本(Semantic Web for the Working Ontologist)
前の記事『 Pythonでオントロジー指向プログラミング(Ontologies with Python: Programming OWL 2.0 Ontologies with Python and Owlready2) 』では、Python と Owlready 2 を使った、OWL を扱うプログラミング本を紹介しました。 今回は、OWL などを使ったプログラミングの前に、そもそも RDF や OWL のモデルをどのように構築すべきか、という設計に関するヒントが詰まった本『実践セマンティックWeb(Semantic Web for the Working Ontologist)』の紹介です。 Semantic Web for the Working Ontologist: Effective Modeling for Linked Data, RDFS, and OWL (ACM Books) (English Edition) (Amazonで書籍情報を表示) OWL や RDF などのセマンティックWeb系の技術は、業務アプリの設計とは無縁のように思われそうですが、設計あるいはモデリングの観点から見ると、本質的なところは同じような気がしています。 特に、OWL や RDF は、プログラミング言語のような処理を記述するものではなく、知識(データ)を記述するものなので、リレーショナルデータベースを中心としたデータ設計あるいはモデリングを考えるときなど、ヒントも多くて、とても刺激的な内容だと思います。 (推論を含めると、データの表現だけでなく、処理も含んでいると思いますけど。) <本の内容> 『Semantic Web for the Working Ontologist』は、版を重ねて最新版は第3版です。 初版から10年以上たっても本の改訂が続いているということだけでも凄さが分かります。 ここでは、初版から目次(内容)をみながら、セマンティックWeb技術の着実な(急激ではない?)進化を見てみます。 実践セマンティックWeb―RDF/RDFS/OWLによるオントロジー設計ガイド Dean Allemang (原著), James Hendler (原著),萩野 達也 (監修), セマンティックWeb委員会 (翻訳) 初版(日本語版:発...